紅龍 ―2―
京花はふっと笑った。
「蘭ちゃんは、何時でも格好いい蘭ちゃんだ。」
そう言って京花は私のおでこに自分のおでこをくっ付けた。
「京花?」
「蘭ちゃん。後は私に任せて?」
小声でそう言った京花。
後って何?
そう聞こうとしたけど京花の「またね。蘭ちゃん。」と言う声に遮られた。
その場に立ち尽くす。
そんな私に声が聞こえた。
「さっきの蘭さんと話してた人って―…。」
「あぁ。」
「霧幻姫じゃないの?」
「…………――。」
外はいつの間にか大粒の涙を流していた。