紅龍 ―2―
それを国分も分かっているようで、闇夢側も幹部と国分はまだ参戦してはいなかった。
「ふっ。向こうは様子見かよ。」
それを見て隼人が笑った。
久しぶりにみるその隼人の表情に息を飲む。
あの頃と同じ―…いや、それ以上の殺気を感じさせるその笑顔。
隼人も本気だ―…。
国分を睨み付け笑う隼人。
「そうみたいだ―…ね。」
私はそれだけ言って隼人から目を移し殴り合う仲間を見た。
何となくだけど―…隼人を見てられなかったから。
…―それよりも目の前で起きている喧嘩だが、まだ始まってそんなに経たないが押されてはいなかった。
今のところ力の差は余り見えないと言える。
行けるかもしれない。
そこにある小さな光に私は見とれた。