紅龍 ―2―
…―後どのくらいだろうか。
この喧嘩の結末を知るのにそう時間はないと思った。
もう喧嘩が始まって一時間は過ぎた。
喧嘩にしては長いなと思う。
もうそろそろ幕が閉じる。
その幕を下ろすのは私と国分、お前のどちらか。
それを知ってか、国分が静かに動きだす。
幕を下ろすために。
でも私はそれを見て素早く動いた。
―カチッ―
私は隠し持っていた少し重みを感じさせる黒いものを国分に向けた。
「幕を下ろすのは私。」
私の計画は実行される―…。