紅龍 ―2―



拳ではなく銃を国分に向ける私。




国分も銃を握ろうとしたがしなかった。




いや、出来なかった。





だって私の持っている銃は元々国分が隠し持っていたものだから。




国分の手に銃など無い。




「俺を殺す気か?」




国分が静かに口を開く。




お前を殺す?




そんな事しない。




そんな予定など計画にはない。




「私はただ幕を下ろすだけ。」




そう。それが私のしなくてはならない事。




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