紅龍 ―2―
「お久しぶりです。国分さん。」
私は何も反応を示さずその声に答える。
『ははっ。久しぶりだね。黒瀬の娘。』
国分 健 コクブン タケル
闇夢4代目組長。
奴は私にも親父にも恨みを持っている。
てか、何でケー番知ってるの?
マジうざい。
「何の用?」
一刻も話を終わらせたい私は低い声を出した。
それで周りも、隼人たちも気付いたのだろう。
私に皆して近づいてきた。
『何の用だって?それはお前が一番知ってるだろ?黒瀬。俺等はお前等を潰す。』
急に健の声が低くなる。
奴は本気だ―…
『お前の親父に言っとけ。お前の娘を使って仇を取らせてもらうとな。』
健は私の返事も聞かずに電話を切った。