紅龍 ―2―
「こちらで着替えて下さい。」
そう言って案内された部屋は沢山の着物が置いてある部屋。
中には誰も居なかった。
その部屋のなかにそっと入る。
するとそれを見た管理人はまるで役目が終わったかのようにどこかに行ってしまった。
思わずえっ?と思う。
取り残された私たち三人。
何をどうしろというのだろうか。
まさかこの目の前にある着物に着替えろと?
私は着物なんて着れないぞ。
しかし、それに焦っているのは私だけで、恭平なんかは男物の着物(なんて言えばいいか分からない)をとってどこかに行った。