紅龍 ―2―
「あの…どうすれば?」
恭平と同じくてきぱき動く京花の背中に呟く。
しかし聞こえていないのか、手を止めない京花に少し涙目になった。
「あのぉ〜…っ。」
「ねぇ、蘭ちゃん。」
弱々しい声を出した私にやっと京花が気が付いた。
私はそれが何だか嬉しくて京花ぁ〜と京花に抱きつく。
まぁ、何してんの?って凄く嫌な顔されたんだけど。
「うっ。…―着物着れない。」
その顔は本当に嫌がってる顔で一瞬傷ついたけど、まぁ持ちこたえて着物が着れないことを京花に訴えた。