紅龍 ―2―
…―そしてその無駄に長いテーブルの一番奥。
「蘭。京花、座りなさい。」
そこにはいつもと違うオーラを醸し出す母さんが座っていた。
黒い龍が薄いピンクと薄い青を纏っている模様の着物を着て。
あの時の―…本当の姿をした母さんが。
「失礼します。」
私たちはそう言ってそれぞれ指示された場所に座った。
先に部屋に来ていた恭平を入れた私たちの位置はというと…
まずは、テーブルの一番奥に母さん。
その右に恭平。
その左が京花。
そして私は母さんと一番離れたテーブルの一番手前、母さんと向き合う形で座っている。