紅龍 ―2―
私は―…紅龍を捨てないといけないのだろうか?
私は裏切り者なのだろうか。
私はもう戻れないのだろうか。
紅龍―…仲間の元に。
そう考えれば目に涙が溜まる。
でも流れる事はなかった。
…―もう答えは決まってるから。
手を自分の目の前で大きく広げる。
薬指で光るリング。
母さんから貰った黒桜会の証。
私は紅龍を裏切りった。
私は紅龍を捨てた。
私は、黒桜会二代目になる。
過去を―…皆を仲間を忘れて。
無理矢理にでも頭から消して。