紅龍 ―2―
「………――っ。」
感情のない涙が流れる。
あぁ、もう私は私でないと思いながら。
そして明日も明後日も同じように涙を流すのだろうとも思いながら。
昨日も泣いた。
一昨日も泣いた。
同じように自分の姿を見て。
街の声を思いだして。
“仲間”を思いだして。
あの日から、
仲間を捨てた日から同じ繰り返し。
もう今が何日か何か分からない。
腐った会や組、族を潰して血を浴びて。
夜はただ思いだして泣く。
それの繰り返し。