紅龍 ―2―

惇side



車の中でも蘭は口を開かなかった。




…―蘭。





今の蘭の目にもう光はない。




今日、久しぶりに会った蘭も随分前とは印象が違ったが―…




今の蘭はもう蘭じゃねぇー。




それもあいつ等に会ったからか?




本当に、なぜ会った。




なぜあいつ等に自分の存在を分からせた。




そんな事して、闇に沈むのはお前だろ?




…―黒桜会。




お前はその名に相応しい奴か―…。





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