紅龍 ―2―

母さんが昔言っていた事を思い出す。




『心の光を完璧に消すのはとても難しいわ。でもね、それが出来た時―…私は鬼と言われ、伝説になった。まぁ、昔の話しよ。』




完璧に心の中の光を消す。



蘭の心にはもう光はきっとない…―。




今の蘭は、あの頃の母さんだ。




桜鬼と言われ、誰からも恐れられた。




蘭。




お前はその道を行くのか?




このまま闇に沈んで行っていいのか。





俺はお前のそんな姿見たくねぇよ。




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