紅龍 ―2―




『あんた惇じゃないよね?』




何も言わない私にもう一度、冷静に女の人が聞いてきた。




いや、だから惇じゃないし―…?




「私は兄貴―…惇の妹です。」




そうです、私は妹です。




兄貴でも、兄貴の彼女でもありません。



『えっ?妹―…って蘭ちゃん!?』





大声で私の名前を叫んだ女の人。




…―耳が何か変。




てか、何この人。




「何で私の名前知ってるんです?」




声真似と言い、私の名前と言い、何かおかしい。




何で知っている。




「貴方は誰ですか?」





私は真剣にマンガとかで良く聞く台詞を吐いた。




< 266 / 308 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop