紅龍 ―2―
…―でも、晃人が言った通り確かに女の耳にあったピアスは蘭が付けてたもんだった。
リングは知らないけど。
でも、おかしいじゃないか。
だって蘭は姿を消していたんだ。
そんな蘭が学校に居るわけない。
そんな―…そんな蘭が黒桜会なわけないじゃん。
「…―きっとあれは蘭じゃないよ。ピアスだって、ただ同じだけ「違うぜぇ。」
独り事のように言った言葉は笹木によって遮られた。
「黒桜会の初代は黒瀬桜。…―多分だが、あいつの母ちゃんとかじゃねぇの?」