紅龍 ―2―
―バァン―…!!!―
理事長室に着いて俺は思いっきり扉を開けた。
「蘭!?」
駆け足で中に入ってさっきの女の姿を探す。
でも、理事長室にはもうあの女も涼さんも居なかった。
まぁ当然と言えば当然だけど。
「…―おい、遊!!」
「…―龍。」
後ろから龍達が理事長室に入ってきた。
そして同じく周りを見回してからやっぱりかと溜め息をついた。
俺も同じように溜め息をつく。
…―蘭。
「皆、今日はとにかく一回倉庫に行こう。」
考えるのはそれからだ。と晃人の冷静な声が響いた。
俺はあぁ、とだけ言って晃人に着いていった。