紅龍 ―2―
『もしもし?珍しいな蘭。』
短いコールを鳴らし相手は出た。
「久しぶりだね。………これから闇夢を潰す事になった。…―力を貸してくれない?」
『ふっ。珍しいと思ったら―…てか、俺はもう戦えない身だぞ?』
「…―うん、知ってる。」
『ならどうすればいい?』
「鍛えてほしいの。」
『お前をか?』
「違うよ。私は違う人に鍛えてもらう。その人にはこれから電話するから。それよりも今の青虎の総長を鍛えてほしいの。」
『龍をか?』
「うん。龍には足りないものがあるんだ。」
『………―いいよ。あと蘭を鍛えるのってあの二人だろ?あの人達にも会いたいし…電話、俺がしとこうか?お前時間がないんだろ?』
「うん――………智ありがとう。いつもごめんなさい。」
『ふっ。ごめんなさいは言わない約束だろ?』
「そうだったね。ありがとう。智―…。」
『あぁ。今から直ぐ電話入れて昼には三人で向かう。青虎でいいのか?』
「うん。」
『じゃあな。』
私は静かに携帯を閉じた。