紅龍 ―2―
「まぁ当然の反応だよな。」
わが兄貴はその光景を満足そうな笑みで眺めている。
………てか、兄貴ってこんなキャラだったか?
前はもっとましだったはず。
「うむ―…。分からん。」
私は手を顎に付けて考える人状態。
「蘭どうした?考える人になってるよ。」
私の小さな独り言にも反応してくれる智。
私は少し涙目になりながら「うん、大丈夫」と答えるとそれを見ていた隼人に笑われた。
「智さん。何でここに?」
急に聞こえてきた声で現実に戻させる。
いつの間にか傍まで来ていたらしい龍が驚きの声を上げた。
そうだった。三人にはこれからのことで来てもらったんだよね―…。
「あぁ。龍か…久しぶりたな。」
龍に笑顔を向ける智。
でも上手く笑えてないよ?