紅龍 ―2―



「まぁ当然の反応だよな。」




わが兄貴はその光景を満足そうな笑みで眺めている。




………てか、兄貴ってこんなキャラだったか?




前はもっとましだったはず。





「うむ―…。分からん。」





私は手を顎に付けて考える人状態。




「蘭どうした?考える人になってるよ。」






私の小さな独り言にも反応してくれる智。


私は少し涙目になりながら「うん、大丈夫」と答えるとそれを見ていた隼人に笑われた。






「智さん。何でここに?」





急に聞こえてきた声で現実に戻させる。



いつの間にか傍まで来ていたらしい龍が驚きの声を上げた。





そうだった。三人にはこれからのことで来てもらったんだよね―…。






「あぁ。龍か…久しぶりたな。」






龍に笑顔を向ける智。





でも上手く笑えてないよ?






< 39 / 308 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop