紅龍 ―2―
蘭×涼
「もう走りはいいぞ。」
どれくらい走っただろうか兄貴の声が聞こえた。
「…―はぁ。……はあ。」
「おぉ結構疲れたか。まぁどうせお前寝てないだろ?」
息切れをする私に無駄な心配をする兄貴。
「そんな心配はいいから…次は何をしたらいい?」
肩で息をしながら兄貴の言葉を待つ。
「………。」
「兄貴?」
何も言わない兄貴。
私は兄貴の顔を下から覗いた。
「……お前今日は無理すんな。お前自身気づいてないかもしんねぇが相当疲れてるぞ。何もするなとは言わねぇから休憩とれ。」
そう言った兄貴の顔は眉間に皺がよっていて怖かった。
兄貴…本当に心配してる。
「……分かったごめんね。少し休憩を捕らせてもらうね。」
私は兄貴に甘える事にした。
「あぁ。そうしろ。」
兄貴は優しく私の頭を撫でた。