紅龍 ―2―
晃人×惇
先生と殴り合って10分くらいたった。
俺はボロボロなのに先生は傷一つ無かった。
「くそっ―…余裕です…か。」
ふと出た愚痴。
先生は振り返った。
「……何でそんなに強いんですか………。」
先生の傷のない顔をもう一度見てまた愚痴が溢れる。
そんな俺を見て何を思ったか、先生は笑った。
「―…その思いだ。」
「はっ?」
「その思いがお前を強くする。…なぜ勝てない。何で強くなれない。そう思って自分をもう一度見直すんだな。それがお前に今大事な事だ。」
先生は俺に笑いかけた。