紅龍 ―2―










「まぁ、俺も昔はお前みたいだったわけ。


いっつも喧嘩では惇さんとかが目立つだけでな…。


だから強くなりたかった。



そんな時、今の言葉を蘭に言われたんだ。


年下のあいつにな。



何だか可笑しい話だよな。




でもあの時は救われた。」










何かを思い出すように話す先生を俺はただ見つめた。





自分をもう一度見直す―…






俺に足りないものは?







「お前にも分かるさ。考えてみな?自分の強さ。」そう言ってどこかに行ってしまった先生の背中を見ながら俺は瞼を閉じた。









自分の強さ―…








俺の強さって何だ?









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