紅龍 ―2―
約束した場所に先に来ていたあの人。
顔は少し疲れ顔だった。
……本当に久しぶりだ。
「親父―…久しぶり…です。」
でも本当なら二度と会いたくなかった。
"久しぶり"何て言葉を言いたくなかった。
俺はずっと青虎に居たい。
あの人の…親父の"闇夢"を継ぐ気なんてない。
「……親父。俺は戻らない。」
俺の意志はあの人に届く―…?
拳に力がこもった。
目の前に居るあの人はどんな顔してる?
俺は顔もあげられない。
だって結末は見えている―…