月光夜
「今までに無かった、悪の部分がミルが亡くなったことによって現れたよ」
そう、あの優しかったフレディ様の姿は無かった。
あったとしても、それは一時的なものだった。
バラを見つめているとき、フレディ様はいつも泣いていた。
何度もあたしの名を呼んで…。
「何でその事を知っているんだ?」
「ずっと影から見ていたの」
「…そこまで、フレディの事を愛していたのか?」
どこか切なげに、アッシュは聞いてきた。
「…えぇ。本当に心から愛していたわ」
「そうか…」