月光夜




「全員乗ったか?」



「うん、乗ったよ!」



「よし、ならしっかり掴まれ!!」



クリクリは、そう言った後大きく羽を羽ばたかせて上昇した。



後ろからそっと、アッシュの手があたしの前に回ってきた。


何でだろうと振り向いたが、言葉を発する前にアッシュが答えた。



「危ないから、何も聞かずにおとなしくしてろ。」



どうやら、あたしが言いたかったことを分かってたらしい。



あたしは、大人しく黙って前を見ていた。




黒い大きい城をじっと。



フレディ様、きっとお助けします。










必ず……。









< 179 / 233 >

この作品をシェア

pagetop