月光夜
「持ってきました。」
「ありがとう。ルーン」
「いいえ。仕事ですから」
ルーンさんが持ってきたのは、すごくぶ厚いくてでかくて少しホコリかぶっていた本だった。
アッシュがそれを持ちながら席をたち、あたしの横に来て座った。
「これだ。見覚えはないか??」
「……。」
ジッとその本を見つめる。
そして、あたしは無意識にその本を持ち腕の中に抱いた。
懐かしい…。
そんな感じがした。
「なぜその本を抱く??」
「分かんない。なんか何となくこうしたかった。懐かしい感じがするの…」
「そうか。」
目をつぶって、その本をしばらく抱いていたらふと涙が頬に流れてきた。