憂いの塔




「紅道(クドウ)、もうすぐ陽が落ちるな。」


突然、私の方に振り返った。




風が吹き、霧生の濃藍の髪を揺らす。



上下の服も黒、と黒の割合が多い。


その所為で霧生の白い肌が一際目立っていた。







「まあな」


私は、空を仰ぐ。



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