ひとりじゃないから
「お、彼女?」
「おう、アキっていうんだ。アキ?」
「え、えっと、」
あたしの背中をトントンとするから、思わず立ち上がった。
そんなの、急に言われたって、なに言えばいいの?
「アキです。」
とりあえずそういって、頭を下げた。
「俺、杉浦浩太。俺ら中学校こいつと一緒で。」
「そういうこと。」
「あたしは、綾香、よろしくね~」
「久美子だよ、アキちゃんよろしく」
「俺はりょう。よろしくな~」
「お願いします。」
みんなに見えない、ゆーすけのシャツの背中のところを握った。