素直の方が好きですか?
「俺の知ってる朝倉 智葉はそんなバカなやつじゃない。
しかも究極に嘘つきだ。自分にな」
見透かされてる。
無理…してるなとは感じてた…。
けど……
「……うん」
「な?」
あ、やだ―…。
涙が…
そう思った瞬間あたしは翔ちゃんに抱き締められた。
「うえっ!?しょ、翔ちゃん!?」
「うえって……」
わっ翔ちゃんクスクス笑ってる…。
「酷い」
「だって智葉…はは」
「もう―…」
安心する。
やっぱり翔ちゃん大人になっちゃったんだ。
改めて実感した。
抱き締められて、触れられて…
だって翔ちゃんこんなにも大人の表情をしてる。
なんだか翔ちゃんが遠くにいってしまったみたい。
「藤栄のことは―…」
その一言にあたしは固まった。
「大丈夫か?」