素直の方が好きですか?
会えない辛さ、会えた辛さ―智葉
「重っ」
小月ちゃんと翔ちゃんが行った後あたしはノートを集めた。
「大丈夫~?手伝う?」
「おと!平気だよ」
「そう?無理しないでよ?」
会いたい、想に会いたい。
無償に会いたくなった。
会ったら会ったで辛いくせに―…。
ドン!
と前を見てなかったあたしは人にぶつかってしまった
「った…ごめんなさい!」
「……智葉」
「そ……藤栄君」
「………朝倉」
沈黙が続いた。
その沈黙を破ったのは藤栄君だった。
「前見て歩けドジ」
「………」
ドジって…
ひどい。
「危なかっしくて気になんだろ」
そう言いながら頭をポンと叩いて行ってしまった。
そ、藤栄君の姿が見えなくなったとたん
あたしの顔はカァァという効果音と共に赤くなった。
「………わあぁ!」