素直の方が好きですか?


「前へ進むのにはどうすればいいの?
どうやったら想を消すことができるの?」

「おいで朝倉」


翔ちゃんのあとをついていったら
数学少人数教室に着いた。

「翔ちゃん…あたし、どうすればいいの!?」

「じゃあさ」

翔ちゃんが窓際に立つ。

窓を開けた途端ふわっと風が通る。
ああ、気持ちいいな。

「俺と付き合っちゃう?」

「……………え?」

何を、言ってるの?
付き合っちゃう?

たしかに翔ちゃんは従兄弟だけども…

「先生と生徒じゃないの?」

そもそも翔ちゃんは本気で言ってるの?

「だな…」

なんで…
そんなに寂しそうな顔するの?

「智葉、そんな顔すんなー、冗談だって」

さきにそんな顔をしてたのは翔ちゃんだよ?

「…翔ちゃん」

「ん?」

「結局のところどうするべき?」

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