素直の方が好きですか?
「嫌ああぁぁぁぁぁ!!」
「姉ちゃん!?」
「はぁっはぁっ―…はづ、き?」
「大丈夫かよ……」
「うん、少し怖い夢を見ただけ。」
涙が流れた。
あたし、最近本当に涙もろい。
「葉月…一人にしないで…」
葉月は無言だった。
かわりに泣きじゃくるあたしの頭にポンと手をのせた。
あたしは顔を上げた。
「葉月?」
葉月は顔を背けていたが真っ赤だった。
照れてるのか…かわいいな…。
「智葉!?」
え?
「翔ちゃん…?」
「あぁよかった…葉月もいたのか…」
「翔兄どうかした?」
「智葉から不在着信がいっぱいあって…かけ直しても出ないから心配になって……ああ本当によかった」
「翔ちゃんごめんなさい…」
「んじゃ、俺は退散しますよ」
そう言って葉月はせかせかと部屋を後にした。