素直の方が好きですか?


弁当を渡す智葉の手が微かに震えてた。
それは俺の気のせいなんだろうか?

――放課後、俺は見事にアイツらに捕まってしまった。

もともと担任に仕事を押し付けられ、作業してるときだったからな…。

最悪だ。

なんだ?今日は厄日なのか?

「想、あんたさぁ今度の土日暇だったら合コン来ない?」

「は?バカじゃねぇの?」

俺は今きっと、露骨に嫌そうな顔をしているだろう。

「バカって、暇だったらだっつの!露骨に嫌そうな顔すんな!」

「暇じゃないから」

「ぶは!即答!あはは」

「お前なぁ……」

「そ、想!」

愛しい声がする。

空耳?

そう思いながらドアを見る。

空耳なんかじゃないっ!
智葉!

仕事は、プリントを順番にならべホチキス留め
それをさらにきれいに並べ職員室へ

だがまだまだ終わりそうにない。

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