素直の方が好きですか?
一歩踏み出す
―――――…
――……
そんなおとの、些細な一言。
きっと翔ちゃんは覚えてたんだろうね…。
あたしはもう忘れかけてたって言うのに。
なんか、それだけの胸の奥底がじんわりと暖かくなっていく。
ありがとう翔ちゃん。
あたしはいちごみるくの飴を口にいれた。
口いっぱいに、広がるいちごみるくの甘い味。
それはまるで翔ちゃんのようで――…。
遠いあの日……まだ、翔ちゃんに恋をしていたあの時の、自分の姿が見えた気がした。
「なんてね……そんななわけないよね……」
あたしはまた、翔ちゃんを好きになる日が来るのかな?
まぁ、とりあえず…
一歩。