素直の方が好きですか?
「じゃあまたねっ!」
お母さんはいつものように微笑んだ。
「じゃ…」
少し恥ずかしそうに言う葉月。
照れ臭いのかぁそうかそうかぁ…
ふふふふ。
「二人とも気を付けてね」
「何一人でにやけてんだよ気持ち悪ぃ」
「えっひどくない?」
「ヒドクナイ」
「馬鹿にしてんのー!?」
この言い合いは病院を出るまで続いた。
「おい」
「何よ」
「何帰ろうとしてんだ」
そういう葉月の前にはバス停に向かうあたしがいた。
「な、何よ」
「歩いて帰んだよ」
「はぁ!?何言ってんの!?」
「チャリ」
「葉月一人で乗って帰ればいいでしょ!?」
そうよ、それがいいじゃない
「この足で漕げるかっての」
そう言う葉月の足は来るときに転んだ痛々しい傷が…。