素直の方が好きですか?


「智葉…あんたたち何かあったの?」

「なんもっ!
さ、早く入ろー
遅刻になっちゃうし」

空元気。
今のあたしはそんな感じ。

「…そう?」

腑に落ちないという感じのおと

「そうそう!」

態度を変えないあたしにおとはため息をついて席に座った。

そしてこう言った。

「無理に言えとは言わないけど
いってくんないと悲しい
私だって智葉の力になりたいよ」

ごめんね、おと
あたしはもうこれ以上おとに迷惑も心配もかけられないの。

「そっか、でも言えないの。ごめんね」

「ううん」

あたしも自分の席に座った。

チャイムが鳴る。

いつも通りのHR
変わらない学校生活
だけど…日に日に変わる日常。

変わらないのはつまらないけど
それだけ平和。

またチャイムがなる
いつも通り先生が出ていく。

さぁ、最初の授業はなんだっけ?

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