素直の方が好きですか?
「智葉!!」
携帯を拾おうとしたあたしをおとが抑えた。
「や……嫌だ!嫌だ!!
怖い……怖いぉ!!」
「智葉!」
「嫌……嫌……嫌……。
誰か……助けてぇ―…。
想、想……」
あたしはその場で泣き崩れた。
怖いよ
怖い……。
あたし、目の前に闇しか見えないよ
孤独の――…
お願い、引っ張って……
あたしを助けて……
ねぇ、早く来てよ……。
想の馬鹿。
「智葉…」
泣き崩れるあたしを見たおとは
ともに電話をかけた。
「………あ、もしもしとも?
どうかしたの?――うん――――え!?
うん――うん――わかった。
じゃあね」
電話を切ったおとの表情はいつになく辛そうだった。
「……智葉、落ち着いて聞いてね?」