素直の方が好きですか?
「去年――…そのばあちゃんが亡くなってさ。
父親は地方を飛び回ってるし。
母親もたまに海外行って…帰ってきたら
すぐに向こうでの仕事の処理してて会社に隠りっきり。」
もう高校生…親の仕事があって寂しい
なんて言える年じゃない。
小学生はまだ許されるかもしれない。
でももう…
あたしたちはそんな小さな子供じゃないんだ。
「家事なんてしたこと無かったし。
今はもう一人暮らし同然なんだよ」
ああ…
やっと見つけた…
孤独の中にいる彼を…
その救いを求める声も…。
見つけた―…。
あたしが…その手を引いてあげなきゃ…。
ギュッと彼を抱き締める…。
「想…もう寂しくないよ…
あたしが…想を孤独の闇から救ってあげるから。」
そう言って
あたしの頬に涙が伝う。