素直の方が好きですか?
証拠
「翔ちゃん……!」
病院を出たあたしは中庭で翔ちゃんに会った。
「智葉」
「あのね、話したいことがあるの……いいかな?」
翔ちゃんには、言わなくちゃ。
「うん?」
あたしたちは病院の中庭にあるベンチに腰かけた。
「今、想が苦しんでるの」
翔ちゃんがピクリと反応する。
あたしは構わず続けた。
「あたし、解放してあげたいの」
「そうか、俺ら別れるの?」
え?
翔ちゃんが言った言葉はあたしの予想を裏切るものだった。
「なん、で?」
「解放してやりたいんだろ?
それってさ」
― ス キ ッ テ コ ト ナ ン ダ ロ ?
「違うっまあたしはただ純粋に友達として…」
「ただの友達が踏み込んでいい領域じゃない。
諦めろ。」