素直の方が好きですか?


そして戻ってきた茜の手にはドラッグストアの袋。

『へ?何これ』

『手、出して?
そ、傷の方ね。
ちょっとしみるかも』

そう言って俺の手に消毒液を……ぶっかけた。

『ってぇ!!!』

『あっごめんね。手が滑った!』

『……っ』

しばらく痛みに耐えた。
信じらんねぇ…

消毒液の容器を持ってみると軽かった。
コイツ…ほとんどかけやがったな。

もうわざととしか思えない。

そう思いつつ手当てをしてもらい
その日は帰った。


それから数日がたった

茜は想の女遊びに気づいていながらも何も言わなくなった。
嘘みたいにパッタリと。

『想、久しぶりに帰ろうぜ』

『ああ』

俺たちは途中コンビニに寄り、近くの公園に入ってベンチに腰かけた。

もう遅いアイスを食べる想の手を見て俺は絶句した。


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