素直の方が好きですか?
「な、なに!?」
「いや、止めても無駄だなって」
「そうよ」
それにこれは想の為だけじゃないんだ。
あたしの為、
ともの為、
あたしの背中を押してくれた翔ちゃんの為…。
そう、あたしの大好きな、大切な人達のためでもあるんだ。
だからあたしは、やらなくちゃならない。
どうか神様…
あたしの味方を
ううん…あたしたちの味方をしてください。
病院前のバス停であたしたちは降りた。
「本当に、やるんだな?」
「当たり前でしょ」
そしてあたしたちは病室に向かいノックした。
「……あれ?」
返事がない。
今度はもう少し強くノックして、
「茜ちゃーん」
と、呼んだ。
返事は、返ってこなかった。
「開けるよ」
開けると、茜ちゃんはいなかった。
どうして?
外出中なの?
あれ…そもそも茜ちゃんは外出できるの?
「トイレにでも行ってるんじゃないか?」
「一人で?」
「看護士さんがいんだろ」