素直の方が好きですか?


あたしたちはとりあえず病室の中で待つことにした。

「遅いねー」

「まだ一分も経ってねぇって」

それからずっと待った。
その間にこれ以外の会話はなかった。

「いくらなんでも遅いじゃない!
もう40分だよ!?」

「ああ…おかしいな…」

「ちょっと聞いて…あっ看護士さん…聞いてみよ?」

そう言ってあたしは声をかけた。

「あの…すみません」

「あ、はい?」

わ…可愛い…こういうのが白衣の天使って言うんだろうなぁ

「あの、末吉茜ちゃんって…」

「あっ…お見舞いの方ですか?」

「はい…」

「今、茜ちゃん外出の許可出てるので出掛けてますよ」

外出の、許可?

あたしはちらりと想を見た。
想も知らなかったようで首を横にふった。

「あ…ありがとうございます。」


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