素直の方が好きですか?
「わからない。わからないよ…
だけど寂しさならわかるよ」
皆いつもあたしよりも葉月ばっかりだった。
あんなになる前は優しい子で、元気で…皆の人気者だった。
素直じゃないあたしなんかより
大人たちは葉月ばっかり可愛がった。
結果…あんな不良になってしまったけど…。
「茜ちゃん…あたし、もしかしたら茜ちゃんのこと…愛せるかもしれない」
ふとそう思った。
この子なら…大丈夫。
そんな気がした。
「何がわかる!
寂しさならわかるよ?笑わせないで!
あんたなんて愛されてんじゃない!
私と比べないで!!」
あたしはその時茜ちゃんの頬を叩いた。
パシンと乾いた音が響いた。
「あんたも…あんたも…」
茜ちゃんはわなわな震え出した。
「アイツと同じだ!
茜に暴力ふるって…そうやって……」
わなわなじゃない…ガタガタ震え出した。