素直の方が好きですか?
「しばらくするとお姉ちゃんは私をかまわなくなったみたいで…
後…私が物心ついたときには違和感を感じました。
お父さんの、お姉ちゃんへの態度に…」
結構あからさまだったんですよ
と眉を下げて笑う。
悲しげに…。
「お姉ちゃんは…私を妬ましく思っていました。
だけどそれでも私に優しくしてくれて…大好きなんです。」
茜ちゃんは、葵ちゃんの気持ち、知らないよね?
知ってたらきっと、“今”は違ったはず。
「私、見ちゃったんです。
まだ4歳でした。
お姉ちゃんの背中に、腕に、足に、無数の傷や痣があるのを…。
痛々しくて目をそらしてしまいました。
虐待の、証拠だったのに」
そんなに幼い頃から…
「私はある日目撃しました。殴られ、髪を引っ張られ…。
なのにお姉ちゃん、涙を流すのを堪えようとして痛いなんて言わなくて…止めてなんて言わなくて…」