素直の方が好きですか?


「その時のお姉ちゃんの顔…
とても冷たくて…
悲しくなったんです」

『…私が死んだら、アンタも清々するでしょ?
いいよ、泥塗ってやる!
泥だけじゃない、アンタが世間に顔出しできなくなるくらいボロボロにしてやる!』

「結局それ以降は何も起きずお姉ちゃんは精神病院に行かされるようになりました。
その後、私は小学校に上がりました。
私、実は受験一回失敗してるんです。
それもお姉ちゃんの行った学校より一つ下の学校を…。」

『葵、いいんだよ?また一校受ければいい。
受けられないならお父さんがなんとかしてやるからな』

「お姉ちゃんの方がずっとできるのに誉められるのは私――…
お姉ちゃんは私を見なくなりました。」

『お姉ちゃん!入いんするってほんと!?
すぐ帰ってくる?』

「私を、見てもくれませんでした。」

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