素直の方が好きですか?


雰囲気も少し違うし…なんだか大人だったけどあの人は確かにそうだ。

やっと動き出した思考回路に俺の足も同時に動き出した。

「待っ…待って…」

俺の足なめんなよっ!
これでも陸上部に勧誘されたんだ!

さらにペースを上げて距離を縮めた。

「茜っ!!」

ビクンと大きく体が跳ねそれと同時に追いついた。

「やっぱりそうだ」

「ひ、人違いです」

「んなわけねーだろが馬鹿」

「想ちゃんひどっ、あ…」

「茜」

「………はい…」

「この一年何やってた?」

「あれ?想ちゃんの質問はまず私?」

「…答えろ」

本当は智葉のこと聞きたいに決まってんだろ?

「それは…」

しばらく間があき、そしてようやく茜は口を開いた。

「私からは言えない」

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