素直の方が好きですか?


「そうですか……」

「ばか!」

不意に誰かの声と重なった。
愛しい人。
彼女も、よく馬鹿と、言ったものだ。

「ありがとうございます
先輩……恋愛対象としては見れませんが、先輩のこと、好きですよ?」

「ふんっ……」

そして俺たちはまた歩き出した。

ありがとうございます、美坂先輩。

同じような照れ隠しの仕方でも……それは智葉じゃないと意味がないんだ。

なんでもっと早く気づかなかったんだろう。

俺はここで智葉を待つんだ。

要さんのようにカッコいいこと言えないし
そもそも俺自体が旗本さんみたいにかっこよくない。

だから、ただただ無言で君を待ち続ける。

「なんだよお前、彼女大好きじゃねぇかよ」

「え?何を根拠に……」

「観察力舐めんなよ?
悪いけど、ずっと、見てたんだからなっ!」

「デレ?」

「は?」

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