素直の方が好きですか?
「ツンデレのデレです」
「何言ってんだ?」
「いえ…なんでもないです」
顔を赤く染めた先輩を見たときに……俺は正直揺らいでしまった。
だけど、すぐに気づけたから。
「本当に俺って馬鹿だよなぁ」
一人でぽつりと呟く。
そのまま消えてしまうかと思いきや、先輩が拾ってくれた。
「本当だな……お前は大バカ者だ」
「ははっ……大バカ者、ですか」
「おう、そうだそうだ」
先輩の優しさが身に染みる。
「先輩、家どっち方面ですか?送ります?」
「向こう……送らなくていい」
「なんでですか!?先輩女の子でしょう!?」
「本当にお前は大バカ者だな!察しろと言ってるんだ!」
「あ……」
俺って、最低だ。
無神経すぎるだろ、いくらなんでも。
「じゃあな」
「あ……さよなら」