素直の方が好きですか?
「ただいまぁ」
「おかえりなさーい」
「は?」
そこに、普段いるはずのない人間がいた。
母親と、父親だ。
「もうっ薄情な息子ね!」
「……夕方帰りとは良い度胸だな想」
「は?」
「私たち実は昨日の夕方から帰ってたの」
「バイト先の上司と呑んで泊めてもらった」
「それは女!?」
母さん、目がいつになくキラキラしてますよ
「女、旦那さんいるし息子もいる。だから特にやましいことなんてない」
「そっかぁ……」
「彼女は、いるけどな」
「どんな子どんな子!?」
その時、大きな咳払いをする音が聞こえた。
「母さん」
「あ、あらあらごめんなさいね」
「想、大事な話がある」
「お母さん、仕事止めようと思うの」
「あっそう」
「ちっがーう!本題はここから!」