素直の方が好きですか?


「ただいまぁ」

「おかえりなさーい」

「は?」

そこに、普段いるはずのない人間がいた。
母親と、父親だ。

「もうっ薄情な息子ね!」

「……夕方帰りとは良い度胸だな想」

「は?」

「私たち実は昨日の夕方から帰ってたの」

「バイト先の上司と呑んで泊めてもらった」

「それは女!?」

母さん、目がいつになくキラキラしてますよ

「女、旦那さんいるし息子もいる。だから特にやましいことなんてない」

「そっかぁ……」

「彼女は、いるけどな」

「どんな子どんな子!?」

その時、大きな咳払いをする音が聞こえた。

「母さん」

「あ、あらあらごめんなさいね」

「想、大事な話がある」

「お母さん、仕事止めようと思うの」

「あっそう」

「ちっがーう!本題はここから!」

< 481 / 526 >

この作品をシェア

pagetop