素直の方が好きですか?
荷物なんて、誰がまとめるか。
ギリギリまで俺はあきらめない。
それでこそ俺、東栄想だろ?
俺は、智葉がどんなに変わっていようと、見つけ出してやる。
だから、智葉も俺のこと、見つけてくれよな。
俺は気分転換に外に出ることにした。
智葉と出会うことを願って。
足の向くままに歩いた。
習慣って怖いな。
自然と、あのバイト先に向かってるんだからな。
「ちはー」
「あらあら、想じゃないの」
「久しぶりです」
「本当ね、あ、そうそう卒業おめでとう」
俺は、内定が決まってから少したってバイトをやめた。
「ありがとうございます」
「想坊!」
「……美坂先輩」
「おめでとう!」
美坂先輩が、おめでとう……って。
や、槍でも降るのか!?
「なんだその顔は!不満なのか!?」
「い、いえ」
ただ、純粋に嬉しかっただけですよ。