素直の方が好きですか?
「それじゃあまたな」
俺は祖母ちゃんのお墓を後にして次に智葉の母親のお墓に向かった。
「えっと……ここか」
たくさんあるお墓の中から朝倉家のを探すのは大変だ。
「朝倉、朝倉……」
あ、あった……。
確かにここは朝倉家のお墓だ。
「初めまして」
俺は花を生け、お線香をあげた。
そして手をあわせ、智葉のお母さんに話しかけた。
――初めまして、東栄想です。
智葉とは、付き合って……いや、なんでもないです。
智葉に、近々プロポーズしようと思います。
寂しい思いはさせません。
何かあったとき、一番の支えになります。
だから、どうか、許してください。
俺は目を開け、空を見上げた。
快晴だ。雲ひとつない。心地いい。
はやく、会いたい。