素直の方が好きですか?
「それで……あたしは想といられなくなって」
「智葉さんは、想のこと、好きかい?」
「勿論です!」
智葉は勢いよく答えた。
それだけでなんだか嬉しい。
「父さん……」
今だ、そう思った。
「俺、智葉と結婚したい」
「想、結婚することがどういうことかわかってるのか?」
「どうって……」
「養わなきゃいけない、男にはな、責任があるんだぞ!付き合うこととは違う……もっと大変なものだ。それでも結婚したいか?」
「ああ、勿論だ」
だって俺はさんざん悩んだ。
本当にいいんだろうかと。
それでもこの答えが出た。
今更揺るぎはしない。
それだけ俺の決心は固いんだ。
「それならよかった」
「アンタが幸せなら母さんは反対しないわ」
絞り出すような声で母さんが口を開いた。